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Vol 11. ありのまま、ブータン

Vol 11. ありのまま、ブータン 嬉しいお知らせ

2015.11.21

前回の記事で、先代、第四代国王陛下の60歳のお誕生日、11月11日の式典が無事に終了したとお伝えしましたが、実はこの日、もう一つ、とても嬉しいお知らせがありました!
 
ジツェン・ペマ・ワンチュク王妃が、男の赤ちゃんをご懐妊され、来年2月、ちょうどブータン暦の新年にあたる“ロサ”の時期にご出産予定との報告が、第5代国王の演説の中で発表されたのです!

国王は、演説の中でこう語りました。
 
「私の偉大なる父の還暦の誕生日に、息子誕生という嬉しいお知らせをすることができ、心から光栄に思う。私の息子もまた、国を牽引していく立場に置かれることから、彼は、私たちのみならず、ブータン国民皆の息子である。」
 
このニュースには、国中が歓喜し、式典が行われたティンプーのチャンリミタン競技場では、感動のあまり涙を流す人もいたようです。
 
当日、チャンリミタン競技場では、携帯電話やカメラの持ち込みは禁止され、6名の公式カメラマンのみが、写真撮影を許可されました。
そのカメラマンたちが撮影した素敵な写真が、こちら、ブータン皇室公式サイト、YELLOWに掲載されていますので、どうぞお楽しみください。
 
ちなみにこちらのサイト、YELLOWは、ブータン皇室の公式メディア、Royal Mediaが今年2015年に立ち上げたものです。
サイト名にもなっている、ブータン王室の象徴「黄色」は、ブータン国王のみが身に着けられるスカーフ(カムニ)の色でもあります。
 
11月11日は、ティンプーのメイン会場のみならず、ブータン全国、そして、ブータン国外のブータン人コミュニティの間でも、盛大にお祝いされました。
タイのバンコク、オーストラリアのパース、バングラディシュのダッカでの祝典の様子は、こちらのクエンセル誌の記事(2015年11月12日付)にも紹介されています。
 
世界では、憎しみや暴力による悲しいニュースが相次いでいます。
悲しみの中にある人々に対し、心から追悼の意を表すると共に、平和という希望の灯が消えることなく、少しずつでも輪になって広がっていくことを願ってやみません。
 
ブータンでは、このような心温まる嬉しいニュースに触れられ、改めて、平和の尊さをかみしめるとともに、その平和を享受し、こうして日々暮らしていけることに、深い感謝を覚えたのでした。
 
11月11日の式典の様子、さらに見てみたい!という方は、こちらのページもご参照くださいね。
第5代国王公式facebookページ
第5代国王演説動画(公式・ゾンカ語)
 
 
改めまして、王妃陛下、王子のご懐妊、おめでとうございます!
タシ・デレ!(ブータンの国語、ゾンカ語で、「おめでとう」)

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11月11日の祝賀を迎えたティンプー市内の様子。中央の写真左は現第5代国王、右は、前第4代国王。ブータン国旗のオレンジ色と黄色で、花壇も鮮やかに彩られました。
 
※第5代国王の演説抜粋は、筆者が個人的にクエンセル誌の英文記事(2015年11月12日付)を日本語訳したものであり、ブータン王室からの正式な文書ではございませんので、あらかじめご了承ください。

Writer Profile

松尾 茜
松尾 茜Akane Matsuo

日本の大手旅行会社に5年間勤務した後、2012年よりブータン王国の首都ティンプー在住。ブータンの持続可能な観光開発事業に携わっている。地域固有の自然や文化、昔ながらの人々の生活を守りながら、ゆるやかに交流人口を増やし、地域経済を、訪れた人の心身を、着実に豊かにしていくような観光を、世界各地で促進していくことがライフワーク。

Ap Bokto
Ap Boktoアプ・ボクト

ブータン王国の田舎町出身。二児の熱血お父さん。農家で、家族と家畜と共に、昔ながらの伝統的な生活を営んでいる。敬虔な仏教徒でもある。

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