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恋に効く、仏教 Vol.28

恋に効く、仏教 Vol.28 第二十八話
自分を自分から解放する

2017.02.22

婚活中の方の悩みの中を多く聞く中で
一番感じるのは、
 
自分はこういう性格だから
自分はこういう人なので
結婚するにはこうでないと

 
と言う方が非常に多いという事です。
 
色々な枠を自分で設定する方が非常に多いなーといつも感じています。
 
ある意味で言えば、
自ら檻の中に入っている様なものなのに、
 
そんな狭いところ入って
息苦しくないの?
 
と、
つい言ってしまう事もあります。
 
 
私のお寺では、新しいお堂が建築中ですが、完成すると中には、
ダウン症の女流書家として有名で、
最近はダウン症とあえて言わなくても
女流書家としても抜群の活躍と作品を残している
金沢翔子さんの般若心経が奉納されます。
 
昔からご縁があり、
30歳の記念で書いた般若心経を奉納してくれることになりました。
 
大きさが
横16m×縦4m
世界一大きい般若心経です。
 
あまりの大きさに圧倒されると思います。
 
その般若心経ですが、
メインテーマは「空」です。
 
何事にも
とらわれず
かたよらず
こだわらない
 
そんな心を持たなくてはいけない、

 
と説いています。
 
この世のすべての物には実体がなく、
私の心を通して見えている世界がここに広がっています。
 
今、幸せか、不幸せか
決めているのは、状況や相手ではなく、
そう思っている私の心です。
 
空の心で見れば、今日から状況を変えずとも幸せです。
 
この世は自由自在。
 
でも、
私たちは、そんな自由に生きていません。
 
婚活に悩む方の意見でみれば、
 
自分はこういう人間だ、性格だ。
 
と言いますが、
そもそも自分というもの自体、こうと決まったものはない。
別にどのような自分でもいいはずです。
 
 
自分には2つあると思います。
相手から見る自分。
自分から見る自分。

 
 
相手から見える自分は、
それは、あなたの行動と心配りが相手に伝わり、相手から見えている自分です。
受けた印象で、人により評価は異なってきます。
相手がどう思うかは、相手の心次第なので、こうしたら好印象を与えられると決まってはいない。
ただ、相手それぞれが、その人の心を通じてあなたを見て受けた印象が、あなたです。
 
 
自分から見る自分。
これは、あなたが自分で自分をこうだと枠の中に押し込んでいる自分です。
 
あなたが、そういう人間だ、性格だと
誰が決めたのでしょう?
誰も決めてない。
 
あなたが、勝手に狭い檻に自分を閉じ込めているだけです。
 
 
結婚するにはこうでないと
こういう相手でないと
 
これも、勝手に決め込んでいるだけです。
 
結婚で言えば、
こういう相手と、こういう条件で結婚すれば幸せ。
という公式は一切ないのです。
 
あなたが、その状況を幸せと感じるかどうかです。
もっと言えば、
その暮らしの中にある幸せを見つけようと暮らすかどうかです。
 
 
書家の金沢翔子さんが、何よりも素晴らしいと思うのは、
空の心で日々過ごされている
所だと思います。
 
どの様な相手にもいつもニコニコし、
枠を設定せず
幸せに暮らしています。
 
師匠の先生が
ダウン症という才能
と言っていた事がありますが、
まさしくその通りで、
私たちが持ってしまう様々な欲を持たず
自由自在に生きています。
 
書にそれは表れます。
 
上手に書こう。
誰かに褒められたい。
恥をかきたくない。
これをしたら有名になる。
これは大変だな。
こうしなければいけない。
 
こんな思い一切なく
 
ただ、目の前の一文字一文字書いていく。
その一字に成りきっていく。
 
だから、その書が素晴らしい。
 
 
私たちの人生も本来は
自由自在。
 
今、目の前にいる自分しか生きられないし、
今というこの瞬間しか生きられない。
 
何も決まっていないし
誰が邪魔するわけではない。
 
一番邪魔をするのは、自分なのです。
 
結婚する人を、
こういう人でなければ、
と決めつけていれば、
 
目の前にいる人の良いところは見えないのです。
 
今、目の前の字をただ書く如く、
今、目の前の相手とただ出会う。
 
なんのこだわりもなく。
 
 
あなたの檻に一緒に入ってくれる人を探すのではなく、
 
この広い世界に一緒に飛び出す人と出会わなければいけません。
 
あなたが、
自分にも
結婚観にも
生活スタイルにも
 
何事にもこだわらず
 
自分の檻を飛び出した時、
 
この世界は素晴らしい出会いと、ご縁にあふれていることに気づくでしょう。
 
素晴らしい出会いではなく
素晴らしく出会う。

 
それが大切です。

Writer Profile

木宮 行志
木宮 行志Koushi Kimiya

お寺婚活「吉縁会」事務局長 / 龍雲寺住職

浜松市の龍雲寺に入寺後、小学生100名のサマースクールや、世界の子どもにワクチンを送る万灯会など、社会貢献活動を行う。

2010年より、静岡県西部で費用をかけず、安心した出会いの場を提供しようとお寺での婚活「吉縁会」を地元の若手僧侶とはじめる。2015年からは東京、2016年からは名古屋・岐阜・大分・仙台でも開催。現在、会員は10,500名。成婚は260名以上と大きな成果を上げる。僧侶という立場で、独身世代と向き合い、多くの縁結びをお手伝いする。2018年春、 龍雲寺 第22世住職となる。

永代供養・樹木葬・坐禅会紹介『龍雲寺』
寺コン・お寺婚活『吉縁会』

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