Vol.6美の質問、いっしょに考える Q.肌のお手入れって面倒くさい。こんな私はダメ人間?
2015.04.18
A肌のお手入れは面倒くさい。疲れ果てていて思うようにできない。だけど肌が汚いのはイヤ! キレイになりたい。正直にいえば、これは私自身の30代前半までの本音だった。
原稿の締め切りに追われ過ぎて、心身共に疲弊しきって、スキンケアもまともに出来ず、自分をキレイにすることは面倒で面倒で・・・・・・。それゆえに元来のニキビ&毛穴だらけの汚肌は、ひどくなるばかりで、そんな自分自身もイヤだった。
今思えば、自愛感覚が乏しかった。
自分自身のストレスに気づきにくく、自分は幸せになる価値があるとか、自分は疲れたら回復する権利があるとか、そういう自愛感覚がなかった。
我慢しているといえば聞こえはいいが、自分の人生なのに何でも人のせいにしがちで、脇役感覚で他人事のように生きていたような気がする。こういう感覚を放っておくと、いわゆるアレキシサイミア (alexithymia)、つまり自らの感情を自覚・認知することが難しい状態になってしまう。
そして脇役人生に翻弄されている人が実はけっこういることもわかった。
たかが肌のお手入れかもしれない。しかし肌のお手入れが面倒くさくて自分のことをいたわれないとしたら、あなたも脇役人生を歩いているかもしれない。
何かつらいことがあるなら、その状況を許さず、甘んじずに状況を変える努力をしなければならない。ゆっくりと自分の人生ドラマのシナリオを見直す必要があると思う。自分の人生で起こることのすべては「自分で選んでいる」という主役意識をもつことで、その後のライフスタイルは大きく変わる。
スキンケアの基本は自分を愛すること。もっと自分の体の感情や感覚に耳を傾けて、自分自身をいたわり、居心地のよい状況を工夫してつくろうとすれば、肌トラブルは軽い段階でリカバーできると思う。
そして「面倒くさい」「どうでもいい」そんな投げやり感情にさいなまれたときには、禅の教えを読むと本当に心が救われてリセットされる。ていねいに自分をいつくしんで自愛感覚を取り戻すために役に立つ。枡野俊明さんの名著、禅の教えをぜひオススメしたい。
自愛感覚を取り戻したい人にオススメの一冊『禅的 生活ダイエット』著:枡野俊明(こう書房)