ケイ子のマドヒ、エガキ、ワラヒ、ススム Vol.01
2015.04.14
[ ススム ]の話 01「ママ、あれ」
はるちゃんが、コンビニエンスで何かを指さしました。
こないだ買ってやったら、速攻でこわれたペンダントのおまけがついたお菓子だ。
どうせ、ほしいんでしょうよ。もうすぐ5歳のムスメの考えてることなんて、ママは魔女だ! とおしっこちびるほどにお見通しだ。でもね、つけて、ものの10分だよ。また壊れるのが関の山。
「ふーん」
と、私のそっけない反応に、すべてを悟ったはるちゃん。
しばらくだまっていたけれど、おもむろに
たたたたたたた。
と駆けていくと、
たたたたたたたと
戻ってきた。
手に、チーズおかきの袋を持って。
・・・・・・参りました。
そうです。それは、私の大大大好物なのです。
母の好きな物が買い物カゴに入ってる状況で、ムスメの好きな物を買わないことなんてできようか。いや、できまい。
ぐうの音もでない私は、
(敵もやるものよ・・・・・・)とおしっこちびそうになりました。
でも、帰りに、出口に大きく張り出された文字を
「ヤーマーザーキ はーるーのー パーンまーつーり」
と、たどたどしく読んだはるちゃんが
「ママ、まつりだ! まつりだヨ!」
と、ふんふん鼻息、荒くしていたので、母の威厳は、そっと保たれたといいます。
今日のごはんは、餃子にしよう。