BS朝日×ハタラク×GINGER 演出家・宮本亜門さんと感じるブータンの旅 幸せの尺度って、なんですか?

Intro

1994年。宮本亜門さんとハタラク編集長のわたしが、
初めて出会いました。
それは雑誌のインタビューでした。
翌年、雑誌の企画で、亜門さんと共にニューヨークを訪れました。
それから20年。たくさんのことが、もの凄いスピードで、
大きく大きく変わっています。

いつも亜門さんと話します。
「生きるってどういうことだろう?」「幸せってなんだろう?」
その答えは、すぐには出ないことも知っています。
2014年12月。だからわたしたちはブータンを訪れました。
そこになにかヒントがあるのではないかと思って。

20年前のニューヨークと、20年後のブータン。
真逆ともいえるふたつの国。
わたしたちは10泊11日のブータンの旅で、多くのことを感じました。
それをぜんぶ素直に正直に届けます。
それは、WEBマガジン・ハタラクだからこそ、できると思っています。

2015年4月23日からはじまる全20ストーリー。
そして次回からは、毎週日曜日にお届けします。
(ちなみに第2回目は5月3日です)

みなさんのこころに少しでも寄り添えたら、
少しでも何か感じてもらえたら、
こんなにうれしいことはありません。

カディン チェ ラ(どうもありがとう)!!

Story.01

12月15日

出発。じらされてブータン。

2014年も押し迫った12月15日の夜。わたしたちは、ブータンに向けて出発するため、羽田空港のカウンターに集合しました。メンバーがひとり、またひとりと集まります。

今回は、テレビと雑誌、そしてWEBマガジンの3メディア企画。テレビチームは撮影準備などの関係で、一足早くブータンに向かっていました。

21時15分。まず、わたしが到着。集合時間は22時なので、かなり早い到着となりました。 デートでも、なんでも、相手を待たせてじらせる、なーんてテクニックを持ちあわせていないので、楽しいとき、うれしいときは、かえって前のめりになってしまう性分なんです。

21時45分。WEBマガジン『ハタラク』と雑誌『GINGER』の撮影をしていただくカメラマン、塚田亮平さんが到着。 わたしが編集担当の書籍をはじめ、いろいろな撮影をしてもらっています。若手だからこそのやる気を持った、繊細でセンスある写真が人気のカメラマンです。

21時50分。今回のテレビ番組の制作を手掛けるプロダクションのスタッフの方たちが到着。先にも書いたとおり、テレビの撮影隊は前日に出発しているのですが、アテンド役として、制作プロダクションのNさんが同行してくれることになりました。

そして集合時間の22時。宮本亜門さんと、マネージャーのKさんが到着。「こんばんは。よろしくお願いします」と、それぞれが挨拶を交わします。

あれ? 亜門さんの荷物がとってもコンパクト! わたしの勝手なイメージで、映る側の方は、たくさんの衣装や荷物でスーツケースを何個も・・・・・・と思っていたのですが。 それもそのはず! 亜門さんのように、国内外を問わず活躍されている方は、旅慣れているので、荷物もコンパクトなんですよね。

まずは亜門さんが元気にいらしてくれて、今回の企画をとても楽しみにしてくれていることに、ただただうれしくて(涙)

さて、総勢5名無事集合。目的地ブータンへは、日本からの直行便はありません。第三国で乗り換えて、ブータンという経路になります。 今回は、羽田 → バンコク(タイ)→ パロ(ブータン)の流れで、バンコクでの待ち時間も2時間なので、予定どおりいけば、16日の午前中には念願のブータンに到着予定。そう、この時点では、まさかあんなことが起こるなんて想像すらしていませんでした。

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ブータンの知識を、パンフレット、ガイドブックからふんだんに取り入れたつもりが・・・・・・。ブータンはそんなに甘い国ではない(?)ことを、この数時間後に知るのでした(驚)。

15日深夜00時20分出発のタイ国際航空661便に搭乗し、5時間後の16日5時20分、バンコク・スワンプナーム空港に予定どおり到着しました。

そしてブータンへの乗り継ぎ便、ドゥルックエアーのカウンターを探すのですが、なかなか見つからない。空港中を駆けめぐっても、なかなか見つからない。なんとかようやくたどり着くと、人っ子ひとりいない。
出発は9時20分。「9時には集まるように」という紙が貼られていたので、「じゃ、それまでは各人自由行動で」ということになりました。

集合時間よりも早めの9時前。ドゥルックエアーの搭乗カウンターに行ってみると、すでに亜門さんの姿が。スタッフの人と、なにやら話をしています。しかもただならぬ様子。
「亜門さん、どうされたんですか?」
「チェックインができていないから、僕たちは乗れないって言われて」
「え!? そ、そんなことが!?」

その後も、英語が堪能な亜門さんに交渉をしてもらったのですが、返事は「NO」。どうも何かの手ちがいやら、なにやらで、チェックインができていなかったわたしたち。それならば次の便に変更しようと、スタッフに聞くと「一日一便です。次の便は明日」。「え!? え!? えーーー!?」、もう頭のなかはパニック状態。ど・う・し・よ・う(震)

そんなとき亜門さんがひとこと。
「まずは落ち着こう。そしてこれからどうするか考えよう」。

ハッと我にかえり、各人ができることを、まずはしようと。
決まっているのは、今日はバンコクで一泊して、明日の便に乗るということ。
バンコクでの宿泊場所、翌日のドゥルックエアーのチケットなど、関係各所にお願いをし、お陰さまで、すべての手配を無事に終えることができました。

亜門さんは言いました。
「ブータンって、こういう意味でも、なかなか入れない国みたいだね。
だからブータンは、今日ではなくて、明日が行くタイミングなんだよ。
と、いうことで気分を切り替えよう! まずは今日のバンコクを楽しもうよ!」

この意識の切り替えの早さ! 過去でも、未来でもなく、まさに今を生きて、楽しむ。
すっかり気持ちが楽になりました。(やっぱり亜門さんってイケテル)

ということで、そうなんです、わたしたちのブータンへの旅は、こんなふうにはじまったのです。

え、なぜそもそもブータンなのか? どうしてブータンに行けるようになったのか?
たっぷり時間はありますので、そのあたりは、Story2でお話しますね。

カディン チェ ラ!!

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こんなにもバンコク・スワンプナーム空港を愛おしく見つめる日が来るとは。夕焼けが浸みます(涙)

宮本亜門

宮本亜門AMON MIYAMOTO

演出家
1958年1月4日生まれ 東京都出身
ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎等、ジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がけている。
http://amon-miyamoto.com/jp/

BS朝日×ハタラク×GINGER 演出家・宮本亜門さんと感じるブータンの旅 幸せの尺度って、なんですか? の目次

Story01 12月15日
出発。じらされてブータン。
Story02 12月16日
なぜかバンコク!?そしてなぜ、ブータン?
Story03 12月17日 前編
ブータンの地に一歩。
Story04 12月17日 後編
生かされている感覚。
Story05 12月18日 前編
大きなビジョンのなかの、今の一瞬。
Story06 12月18日 後編
なにが幸せかは、まだわからない。
Story07 番外編
亜門さん、死って怖いですか?
Story08 12月19日
宇宙と向き合える場所。
Story09 12月20日 前編
魂が宿る場所。
Story10 12月20日 後編
クリーンにリボーン!
Story11 番外編
亜門さん、今のブータンについて話しませんか?
Story12 12月21日
生きてることが幸せ。
Story13 12月22日
お釈迦様も自分も自問自答。
Story14 12月23日 前編
焦らず、一緒に幸せの国にしていこう。
Story15 12月23日 後編
変わらずにある、大切な何か。
Story16 番外編
亜門さん、今は死をどう感じますか?
Story17 12月24日 前編
ブータンは新しい国!
Story18 12月24日 後編
ブータンの勇気。
Story19 番外編
亜門さん、GNH委員会の人と話しませんか?
Story20 12月25日
幸せの尺度。
Story18_en December 24th, 2015
【英語版】Courage of Bhutan
Story19_en Special feature
【英語版】Talk with the officer from GNH Commission
Story20_en December 25th, 2015
【英語版】Scale of Happiness

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