BS朝日×ハタラク×GINGER 演出家・宮本亜門さんと感じるブータンの旅 幸せの尺度って、なんですか?

Intro

「生きるってどういうことだろう?」「幸せってなんだろう?」
そのヒントがあるのではと、宮本亜門さんとブータンをおとずれました。

10泊 11日のブータンの旅。
その旅はあまりにも新鮮で、あまりにも清々しくて・・・・・・。

今回の旅で、素晴らしい贈り物を、たくさんもらいました。
それらをぜんぶ素直に届けます。
それが、WEBマガジン・ハタラクだからこそ、できることだと思ったので。

全20回のブータンストーリー。
毎週日曜日に更新中。

あなたもブータンをとおして、幸せを、生きることを、感じてください。

カディン チェ ラ(どうもありがとう)!!

Story.20

12月25日

幸せの尺度。

10泊11日のブータンの旅も、今日で終了です。
亜門さん、ブータンへの率直な感想を!

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「誰もが望み、実現できなかった、人間の心が中心の革新的発想を、心で国民に伝える国王たち。
そして国民一人一人が自立して考え、自分たちの意見を国王たちに出し、共に真の幸せを探ろうとしている。
僕は、まったく誤解していました。貧しい状態だから、苦しい状態だから、先進国の人たちから見たら幸せそうにみえるのだろうと。それこそが先進国から来た人のおごった見方だと、反省しています。きっと誰か強い指導者がいて、強引にその方針を進めているのだと思っていましたから。

でも実際は逆でした。
ブータンの人々はそれぞれが実によく話し、人の話しを聞き、話し合う。それはお金を儲けるためとか、裕福になるための方法ではなく、本当の豊かさは何か、充足感とは何なのかということを話していたのです。これほど何が大切かを、語り続けている人たちを僕は知りません。
僕がこれから日本に帰っても、ブータンの国王の言葉はもっと知りたいし、これからも見守って行きたい。大切な国になりました」。

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ブータンの人たちの心に響く、国王の言葉が琴線に触れたという亜門さん。
では亜門さん、今回のテーマ“幸せの尺度”を今、どう感じてますか?

「幸せのために人を殺す人もいれば、幸せのために自分の子どもを捨てる人もいる。それは自分個人のためだけ。自分の周りの人や、全世界の人の事など考えていません。それでは真の充実感は得られない、それが人間なのでしょう。

本当は誰もが心の奥底で感じている。きっと、誰もがわかっていることなんです。
人を愛したり、愛されたり、自分の家族のことを思ったり、思われたり・・・・・愛以上の何かが、体の奥から浸み出てきて、いつの間にか涙が出たり、生きている喜びを噛みしめたりしたことってきっとあるはずなんです。そういう幸せのことを彼らは言っているんだと思います。

ブータンの人たちが言っている幸せは、自分のレベルだったり、周りから見たらどうだ、こうだという尺度ではなく、誰もが心の奥底で思っている尺度なんです。
だから『本来の幸せはなんなの?』、『本当にあなたが心震えたり、喜んだり、“よかったなー今日も”と思った瞬間はなに? それこそが幸せだよね』という投げかけのようなものを僕は感じるんです。それはうまく説明できなかったり、目には見えなかったりする。
でも見えないだけに見逃しがちになるけど、生きて行く上で一番大切なことなんじゃないかと」。

各人の心の尺度が、幸せの尺度であると。それに気づかせてくれたのが、ブータンだったと亜門さんは続けます。

「僕も人生まだ勉強中で修業中。生きるというのは修業だと思っているので、ブータンに来ると、つらいことも自分たちのプラスになるんだと、はっきりわかる。
そして『これも自分次第で、次の輪廻転生で、変えていけるんだよ』と。

つまり『自分が変われば、自分の将来も変えることが必ずできる。ここで絶対に短気になったり、諦めたり、捨てたりすることはない』それが、ブータンの人々の穏やかな笑顔につながっているんだと思いです」。

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パロ空港から帰路につく亜門さん。「最高のブータンでした! また来ます!!」

では、最後にうかがいます。ブータンは亜門さんにとってどんな国でしたか?

最後の心の砦です。
もちろん、同じものを見て、体験しても、まったく違う見方をする人もいます、ある人たちはこのブータンを『まだなにも知らない国だ』と言うかもしれない。でも、僕から見るとこの国は、先進国が忘れかけ、失ったものを大切に広げようとしている、希望に満ち、信仰心と自然が美しく結びついた国。そしてアジアで、最後の心の砦なのです。

そしてブータンを訪ね、強く思ったのが、やはり人間の可能性は無限だということ。
まだまだ諦める必要はない。自分が振りまわされないように、周りの些細なことで自分に優劣をつけたりしないように、しっかり心に軸を持って、芯のある生き方をしたいと思いました。

『幸せってなんだろう?』、『このままでいいのかな?』と、悩んでいる人がいたら、またもっと生きる喜びを感じたい人がいたら、ぜひブータンを訪ねてください。ここには、壮大で崇高な自然の宝物があり、最高の笑顔がこぼれる人たちが沢山いますから!」。

カディン チェ ラ!

ハタラクは見た!!

ブータンにはドゥルックエアーで!!

幸せの尺度ってなんですか? と題したブータンの旅も今回で終了しました。みなさんひとりひとりが、幸せを見つめるきっかけになってくれたのなら最高です!
ぜひ感想など、おしえてくださいね。

さて、最後にブータンへの足、ドゥルックエアーをご紹介します。
ブータンへは日本から直行便がありません。今回は日本からタイのバンコクを経由して、ドゥルックエアーでブータンのパロを訪れました。

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『ドゥルック』は雷龍の意。ドゥルックエアーはブータンの国営航空会社です。エコノミークラスの機内食をパチリ。

近い将来、ブータンを訪れる際は、このドゥルックエアーに皆さんも搭乗ですね。その日まで、お楽しみに!

●お問い合わせ先/ドゥルックエアー www.drukair.com.bt

宮本亜門

宮本亜門AMON MIYAMOTO

演出家
1958年1月4日生まれ 東京都出身
ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎等、ジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がけている。
http://amon-miyamoto.com/jp/

BS朝日×ハタラク×GINGER 演出家・宮本亜門さんと感じるブータンの旅 幸せの尺度って、なんですか? の目次

Story01 12月15日
出発。じらされてブータン。
Story02 12月16日
なぜかバンコク!?そしてなぜ、ブータン?
Story03 12月17日 前編
ブータンの地に一歩。
Story04 12月17日 後編
生かされている感覚。
Story05 12月18日 前編
大きなビジョンのなかの、今の一瞬。
Story06 12月18日 後編
なにが幸せかは、まだわからない。
Story07 番外編
亜門さん、死って怖いですか?
Story08 12月19日
宇宙と向き合える場所。
Story09 12月20日 前編
魂が宿る場所。
Story10 12月20日 後編
クリーンにリボーン!
Story11 番外編
亜門さん、今のブータンについて話しませんか?
Story12 12月21日
生きてることが幸せ。
Story13 12月22日
お釈迦様も自分も自問自答。
Story14 12月23日 前編
焦らず、一緒に幸せの国にしていこう。
Story15 12月23日 後編
変わらずにある、大切な何か。
Story16 番外編
亜門さん、今は死をどう感じますか?
Story17 12月24日 前編
ブータンは新しい国!
Story18 12月24日 後編
ブータンの勇気。
Story19 番外編
亜門さん、GNH委員会の人と話しませんか?
Story20 12月25日
幸せの尺度。
Story18_en December 24th, 2015
【英語版】Courage of Bhutan
Story19_en Special feature
【英語版】Talk with the officer from GNH Commission
Story20_en December 25th, 2015
【英語版】Scale of Happiness

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