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Vol.46台湾から来た白い犬の日記

Vol.46台湾から来た白い犬の日記 LGBTと結婚 ①

2015.07.04

こんにちは。Cocoです。
 
先日アメリカ合衆国最高裁が、『同性婚を禁止している州は違憲である』との判決を出しました。このニュースは大統領が緊急コメントを出すほどの大きなニュースとなって報道されました。日本でもこのニュースは報告されたのでしょうか?



今まで米国では、同性による結婚は州の判断に任されておました。
ですから同じ国内でもある州では同性婚がOKで、別の州では禁止という一貫性のないものでした。
この法的不均衡を是正するために争われていた同性婚は、今回の最高裁の判決により、『同性婚禁止は憲法に反する』と判断されました。これにより州によってのまちまちの判断であった同性婚が全米すべてで合法となったのです。


 
ご存知のとおり私Cocoの飼い主の米国人DさんとJapanさんは、男性同士のカップルですから、このニュースは私にとっても他人事ではありませんでした。


奇しくも米国最高裁の同性婚合憲判決が 出て、興奮冷めやらぬサンフランシスコでは次の日に45年目のLGBTQ祭典SF Prideが予定通り開催されました。
 
少し前までは「今年は行くのやめようかー」といっていたお二人でしたが、この判決が出た歴史的な瞬間のPrideで、「一生のうちでも こんな状況下のPrideはきっとない! これは逃してはいけないなー」と二人して出かけることにしました!

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6月7月のサンフラ ンシスコは霧に覆われて大変寒いことが多いのですが、今年は霧が多少出ているものの、時折暖かな日差しが降り注ぐことのある、半袖でもなんとか過ごすこ とができる、サンフランシスコにしてはまずまずの天気に恵まれました。
車で近くまで行ったところ、案の定交通渋滞。心なしかいつもよりも、かなり混雑しているよ うです。今回はこの大きなニュースのために、いつになく人出が多かったようです。


「や はり車ではなくて電車で来ればよかったかなー」と思った時、脇道に入ったところに運よく車を止められるスペースを発見! 会場から2ブロックほどのところに車 を止めることが出来まして、シティーホール広場の会場へ向かいました。昼前に到着したのですが、もうすでにたくさんの人で盛り上がっています。皆さんLOVE Winsというメッセージを掲げて、沢山の人たちが思い思いの格好でPrideイベント会場 へ向かっているのを見ることができました。LGBTの人たちだけでなく、家族連れや男女の恋人同士も皆さんイベント会場へ向かいます。



今年のテーマは、間違いなくほんの数日前に全米で大きな反響があった、米国連邦最高裁の同性婚否定は違憲であるという判決でした。 
これにより州によってまちまちであった同性婚が、事実上全米で合憲化されたという、本当に歴史的な司法判断でした。5対4の僅差とはいえ、これで同性愛者にも一般人と同じ権利が認められたというのは彼らにとって画期的なことだったようです。



DさんもJapanさんも正直、毎年あまり変わり映えのしないこのPrideには、「もうそろそろいいかー」という気持ちがあったそうですが、「そんなこと言っていられないぞ! この 驚くべき判決の数日後のPrideを見なくてどうするんだ!!」と、いまいち乗り気でもないDさんを連れてやってきたということなのです。来たらきたでDさんはこの会場の皆さ んの嬉しそうな雰囲気を楽しんでいたようです。
 
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DさんとJapanさんたちは11年前のサンフランシスコの前市長のNewsom氏 が、市の権限でもないのに同性愛者への結婚を勝手に認めるという前代未聞の大騒ぎを起こした時からずっと、この一連の同性婚の問題を見守ってきました(私Cocoは、まだ生まれてもいませんでした!)。
 
カリ フォルニア州では同性婚はある時期、裁判所の判決によりOKになったのが、翌年の住民投票により禁止になったりというアップダンがあったのです。

それに関連しての判決がどんどん全米に波及していくのを、はらはらと見守っても来ました。結果的にはDさんとJapanさんの望む方向へ判決は進んで行ったものの、それに伴い 、激しい偏見や差別が全米の各地で起こっていたのも見てきたそうです。
そしてこの訴訟を起こした当事者たちはいろいろな問題にぶつかりながらもここまでやって来 てくれ、その勇気と強い心をたたえたいですね。

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それにこの判決がすべての問題を解決するわけでもなく、とりあえず一般人と同じスタート ラインに立てる権利が保障されただけなのだ、ということも自覚しないといけないのでしょう。偏見や差別、暴力はこの判決により強いものになるかもしれませんが、 これをどうやって減らしていけるのか、理解を深めてもらえるのかが課題なのですね。(それにしてもこの人↑はなぜ???)



イスタンブールではLGBTのパレードに警察が、催涙ガスや放水されたり韓国ではLGBTパレードに宗教団体や公官庁が反対であったり、日本でも同性愛者のカップルにとって法的な保証は何もない上に、職場でも家族にも同性愛者であることさえも言えないという精神的に住みやすい環境であるとは言い難い状況であるのは周知のとおりです。

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同性愛者を取り巻く環境はヨーロッパの数カ国以外は世界的に見ると悲惨な状況としか言いようがないというのが本当なのでしょう。
米国はいいにつけ悪いにつけ、世界的に大変大きな影響 力のある国ですから、米国のこの流れを上手く利用して、少しでも世界の人たちの暮らしが向上してくれることを切に願いたいものです。


明日につづく・・・・・・

Writer Profile

Coco
Cocoココ

台湾生まれ台湾育ちのフォモサ犬系雑種。野良犬だったため正確な年齢は不詳:性別、女推定9歳。台北で殺処分直前に現地の動物保護団体にレスキューされる。その後紆余曲折を経て、2010年、サンフランシスコ在住の日本人男子Japanさんとアメリカ人男子Dさんのカップルの家の養子となる。食べることと散歩が大好きだが鶏肉アレルギーがある。

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