Vol.115台湾から来た白い犬の日記 突然の別れ。
2016.05.30
こんにちは Cocoです。実は少し前に、アメリカ人お父さんDさんとJapanさんの
長年の友人のTさんが亡くなりました。
亡くなった彼Tさんはつい最近、40歳を迎えたばかりでした。
旅行先で急に病気に襲われ、救急車で収容された病院で一週間後になくなりました。
Tさんと20年以上連れ添ったMさんはいきなり一人の生活になり、
かなり戸惑ったそうです。
今までは彼氏Tさんと活発に出歩いていた彼なのですが、一人となり、
それもぱったりと辞めてしまったよう(亡くなったTさんとMさんは男性同士のカップルです)。
そういう事情もあってか、DさんとJapanさんの友人たちのいつものメンバーが
気をきかせて彼の誕生パーティーを開きました。
パーティーはポットラック式で料理は持ち寄りということになりました。
Mさんの誕生パーティーですので、持ち寄る料理もMからはじまるものと、
テーマも決めたようです。
こういう時、英語(アルファベット)は楽ですね。
MさんですからMからはじまる料理なら何でもOK。
これなら、マカロニチーズ、ミートボール、マンゴープリン、
ミネストローネなどいろいろ拾えますが、
日本語となるとMとはいかず、「マ」からはじまる料理だけとなってしまい、
かなり限定されますね。
JapanさんとDさんたちはMで巻き寿司も考えましたが、
結局簡単なマリナラソースのチキンを持っていきました。
パーティー会場に行ってみるとミートボール、マカロニチーズ、マティーニ、
マリネしたポークチョップ、マッシュポテト、ミックスナッツ、ムスカットワイン、
などなどが集まっていましたが、やはりMなど気にしない人は
春巻きやサルサチップスなども持ち寄っていました(笑)。
彼らの集まりとなるといつもは30人から40人くらいを呼ぶ
大パーティーとなるのが通常ですが、今回は一部の比較的コアな部分で、
仲の良い人だけを呼んだひっそりとしたパーティーになりました。
その分静かで居心地の良い落ち着いた雰囲気のパーティーとなったようです。
聞けばMさんの本当の誕生日もこの日だったそうですが、
このパーティー後の予定は何もないそう。
今は沢山の人と大騒ぎして誕生日を祝う気分になれないから、
夜の誘いはすべて断ってゆっくり家で一人の時間を過ごすと。
「昼間ここでこうしてみんなが自分のために集まってくれただけで、十分嬉しい」
とつぶやいていたそうです
幸いこの日は朝から綺麗に晴れ渡り、
真夏を感じさせる陽気となり野外パーティーとしてはいい日となりました。
皆さんが変に彼を特別扱いしなかったことは、
きっと彼も気が楽だったことでしょうし、
こうして心のこもった少人数でのパーティーも、
今の彼にはちょうどいいものだったのかもしれません。
20年以上も連れ添った相手がふっと突然いなくなる、
そんなことはどこにでも起こる珍しいことではないですが、
本人にしてみれば 相当きつい出来事だったことでしょうね。
早く痛み薄らぎ元気な姿を見せてほしいものです。
そういえばJapanさんは桜の咲く頃、日本の実家に帰っていました。
そして彼は実家に泊まったそうです。
そしてその滞在時、父の寝室に悲しみから立ち直れない人が読む指南本の
ようなものを見つけたとのことです。
Japanさんの母親、つまりJapanさんのお父さんの奥さんは3年ほど前に
がんと診断され余命一年を宣告されました。
そしてそのまま一年後静かにこの世を去っていきました。
今回の帰国時、Japanさんは父親と一緒に金沢や福井へ温泉旅行に行ってきました。
その時、美しい桜に素敵な笑顔をたくさん見せていた彼の父ですが、
50年近く一緒に暮らした相手がある日突然いなくなる、
という痛みからは3年経った今もまだ癒えていないのです。
たった3年ですから当然なのかもしれませんが、
それを知った時Japanさんの心は痛かったと言っていました。
永遠の時はどこにもない、今そばにいてくれる愛しい人、親、兄弟、友人ともいつか別れが来る
。一緒にいた時間が長くなればその分その時の別れの痛みはきっとすさまじいものになるのでしょう。
そして時を経てその苦しくつらい悲しみを乗り越えた向こう側に、
本当の安らぎがあるのでしょうか?