Vol.120台湾から来た白い犬の日記 他人にしていたつもりが・・・。
2016.07.04
こんにちは Cocoです先日JapanさんにEメールが来ました。送り主は彼の元同僚のGraceさん。
Graceさんは同じ職場のアドミニストレーション(日本語だと総務部的な感じ?)所属でした。
彼女は台湾からの移民でして、Japanさんがこの職場に入った時、
唯一の日本人ということで大歓迎してくれました。
そして私Cocoを台湾から迎えた時も現地語を教えてくださり、
私Cocoもおかげで大変助かった記憶があります。
勤続20数年の彼女は齢70を目前にして定年退職をしました。
70歳!? と驚くかもしれませんねー。
基本的に米国は差別に対して大変繊細な国であります。
だからといって差別がないわけではないのですが・・・・・・(汗)
仕事の募集で履歴書に性別、生年月日、民族 情報の記載や写真の添付はしません。
それは、それらの外的要素で書類選考からはじかれることを懸念しているというのもありますし、
それを起こさないためという考えからかもしれません。日本とは正反対(笑)
そういう環境ですから、年齢で退職を迫るということが禁止されています。
ですから働きたいと思えば何歳でも会社に居座ることが可能でして、
基本的に定年退職の時期は自分で決めるということになっています。
時々90歳の現役フライトアテンダントがいるとか話題になるのは
アメリカならではのことかもしれませんねー。
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彼女のJapanさんへのメールにはお願いがありますという内容のものでした。
そのお願いとは、
”日本語の歌を練習したいのでこれらの歌の歌詞をローマ字に起こしてほしい”というものでした。
彼女の母親は、90歳を過ぎて台湾で暮らしています。
Graceさんは、母親に会いに年数回台湾に戻っているそうなのです。
Graceさんのお母さんは日本語がわかり、日本語の歌が大好きなのだそう。
ご存知の通り、その昔台湾は日本の統治下にありましたので、
その時代を生きた台湾人は日本語を自由に操ることができます。
母親は日本の歌を歌うのが大好きで、Graceさんが台湾へ帰るたびに母親と一緒に
これらの日本語の歌をカラオケで何度も何度も歌って楽しむそう。
彼女の母親の日本の持ち歌は膨大なので、
それについていくためにもこちらでしっかり練習しておきたいそうです(笑)。
Japanさん曰く「彼女がくれたリストはなかなか興味深い楽曲が並んでいるね(笑)」。
彼女はお母さんが喜んでくれる顔を見るのが本当に嬉しくてしょうがないので、
毎日練習しているとのこと。
「そんな親孝行の娘さんのためなら!!」と、Japanさんは彼女のお願いを承諾。
彼女は「お礼にランチをご馳走したい」と、次の日いきなり職場に現れて
ランチに行くことになりました。
たまたまJapanさんの予定が入っていなかったからいいものの強引な人です(笑)
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日本人大好きGraceさんは有無を言わさず彼もいっしょに連行。
このMIX君は以前Japanさんに日本風のパンを買ってきてくれた人です。
レストランへ行く途中Graceさんの妹に偶然会い、彼女も合流。
豪華な飲茶ランチを2時間にわたって提供してくれました。
「まぁ忙しい日でもないので、たまに2時間ランチでもいいかぁ」とJapanさんは開き直り。
日本人MIX君は彼女のマイペースさと突然の2時間ランチに戸惑っていました(笑)。
Graceさんは「急がなくていいから」と言っていたものの、
次の台湾行きが10日後と聞いてしまったら急がなくてはー!! と毎日、
歌の歌詞を見ながらローマ字を打っているJapanさん。
これらの歌は結構昔のもので中には変な歌もありますが、基本的にどれも皆言葉が綺麗でして、
Japanさんは素直に情景が浮かぶような日本語にしばしうっとりとしたり、歌詞をかみしめたりしています。
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やはり時間の荒波にもまれながらも残った歌というものは、いつになってもいいものですねー。
遠く台湾にいるGraceさんのお母さんのためにと思ったものの、
こうしてほとんど聞く機会がなかった歌をまた聞くことができて嬉しい限り。
「他人に親切にしたつもりが、自分が一番得した気分だねー」と言っていました。