Vol.142台湾から来た白い犬の日記
本国に住んでいるからこそ
感じられる大統領選挙(前編)
2016.12.05
こんにちは、Cocoです。さて、少し前に米国であった大統領選は今まで以上にいろいろな意味で注目を集めました。
私Cocoは市民権はなく(アメリカ国民ではなく、アメリカ在住犬)なので選挙権はありません。
ですから比較的離れた立場でこの選挙を見ていたような気がします。
結果は周知のとおり番狂わせがありトランプ氏が勝利を得ました!
これには私Cocoでさもかなり驚きました。
サンフランシスコべイエリアに住んでいますと「トランプ支持」と、
全面的に前に出している人は皆無です。(私Cocoをのぞいて・・・)
選挙の結果を見た有識者と言われる人たちが、
「これはアメリカの教育水準の低い人(RedNeckやWhite Trash)たちの選んだ結果だー!)とか
「アメリカは白人の国で白人市至上主義的な人が多い結果だー!」と、大騒ぎしています。
が、それもあるかもしれませんが・・・それだけではないと思います。
トランプ氏の人間的な資質、彼の発言も大統領としては許されるべき言葉ではないのにもかかわらず、
彼がこうして選ばれてしまったのは、彼に投票した人すべてが特別差別主義者や
白人至上主義者ではないのだと思います。
アメリカの政治に詳しくもない、レベルの低い犬の私Cocoが思いついた
いくつかの要因を簡単に書いてみたいと思います。
あくまでも主観的な根拠も示さない低レベルの意見ですので
「自分は違うと思う!!」と、激怒しないでくださいな(汗)
さて、私Cocoが思う今回のトランプ勝利の要因の一つに
オバマ大統領の政治手腕がそれ程素晴らしくもなかったというものがあるような気がしました。
まずオバマケアーを呼ばれる国民皆保険であるAffordable Care Act(ACA)。
米国ではお金が全くないか、お金がちゃんとある人以外は保険に入るにはかなり大変でした。
それは医療費&保険料のとんでもない値段だからです。
また医療費のおかげで破産宣告を受ける人もたくさんいました。
その点ではこのオバマケアーは今まで保険に入れなかった人たちに保険に入れるようにし、
多少の強制力を持って保険加入者を増やしました。この点では素晴らしい政策だと思います。
しかし、医療費は日本のような点数制ではなく医療機関の言い値になることが多く、
医療費自体は制御不能状態で天井知らずで上昇。
それに伴って保険会社も保険料を上がるばかり。つまり政府の負担(使われる税金)は、増えるばかりなのです。
それらの抜本的な改革なしにはオバマケアーの未来は暗いものだと考えます。
カリフォルニアに限ってですが、低所得者年収160万円以下は月々の保険料も、医療費も自己負担もゼロ!
年収が500万円までは政府の補助を受けることができますが、それ以上の年収になるとほぼ全額負担。
職場が払ってくれればまだいいですが、個人負担となると保険料は1人月々5万円以上。
そして歯科、眼科はまた別の保険を買い足さなければいけなくなり、家族がいればその倍以上になる場合も・・・・・・
まともに一生懸命働く人には高すぎて、低所得者には優遇すぎるくらいの状態なのです。
こんな制度ならまともに働いている人が怒るのも理解できます。
次に移民問題。
この国にはたくさんの不法移民者がいます。まあ、税金も払っている人もいますが、
たぶんほとんどが税申告のない労働者となっている場合が多いかと思います。
私Coco一家たちが住む地域では不法労働者も加入できる医療制度があります。
そして行政サービスも不法労働者に門戸を開いているものも多々あります。
もちろんこれらは税金で賄われています。
また、アメリカでは両親が不法移民であってもアメリカで生まれればアメリカ国民。
その為、アメリカで生まれた子供はたとえ両親が不法移民で税金を一切払っていなくても
ある一定の医療、教育は無料で受けることがきるようになるのです。
税金は払わずベネフィット:恩恵だけ受け取る。
そう考える人たちが不満を抱いているのは現実。
さらにオバマ大統領は不法移民優遇措置はとったものの、
それほどその流入を抑える対策はとってはこなかった。
ですから、一般人からしてみると収入はそれほど上がらないのに税金ばかりがどんどん増え、
彼らに使われていると感じている人が多いのかもしれません。
実際このままこの状態が増え続ければ行政サービスは破綻するしかないかもしれません。
そして次に考えられるのが外交手腕。
最初はイスラム問題。ISISがとんでもないことを起こし、
アメリカの様々な場所でもテロと思われる行動があったにもかかわらず、
オバマ大統領の過激イスラム原理主義者たちへの対策は
一般市民にはほとんど目に見える対策をとりませんでした。
ですから、アメリカ国内でオバマ大統領の対イスラム過激派対策が弱すぎると考える人が多いのかもしれません。
そして、対中国政策、対ロシア政策・・・・・・上げれば限がないくらいこれといって
アメリカが主導権を持ったような外交政策が見えなかった。
いろいろとあげてもきりがないのであと一つ。
それは国内で多発した人種問題。
黒人初の大統領ということで期待されたこの対立問題は、
オバマ大統領になって黒人対白人の対立問題がより多くなってきたような感がありました。
それは彼が明確な方向性を示さずこの問題に真っ向から取り組まなかった結果であると
感じている人が多かったからなのでしょう。
これらはオバマ政権でのごくほんの一部ですが、
私Cocoでさえ感じられるくらいですから、他にも彼の政治に不満を持つアメリカ人は
意外と多くいたのではないでしょうか。
もしクリントン氏が大統領になった場合、これらのオバマ政策が世襲される可能性が多くなります。
そうなると、このまま下手をしたら後8年、アメリカがこのような状態になるという
懸念あったのではないでしょうか。。。
とんでもない発言&人間的に質が良くなさそうなトランプ氏対、
このまま同じ政治のクリントン氏という究極の選択を迫られ、
必ずしもトランプを両手放しで支持という訳でもないが、アメリカがこのままこの路線で進むのよりは、
破天荒な彼に試させてみるのも手ではないかという選択になったのかもしれません。
それにオバマ大統領が選ばれた時の選挙期間中はBush大統領が8年間大統領職を務めていました。
この時のオバマ大統領のスローガンは”Change!"でした。
ブッシュ大統領の政治に懸念を持った、または良しと思わない国民が変化を求めてオバマ大統領を選びました。
カーター大統領(民主党)→父ブッシュ(共和党)→クリントン(民主党)→
ブッシュ(共和党)→オバマ(民主党)→トランプ(共和党)ですから、
今回の結果も前政権からの変化を求めたということで、歴史の繰り返し。
なるべくしてなったと言えないこともありません。
アメリカ国民はもともと変化を好む国民性なのでしょう。
それにもう一つの要因が公正を欠いたメディアの報道。
今回の選挙報道でほとんどがクリントン氏有利一色になっていました。
この偏った報道により究極の選択に迫られた人たちも、
「多分トランプは選ばれないだろうから、自分はトランプに投票してもどうってことないなぁ」
という安易な選択もあったのかもしれません。
そしてクリントン支持者は、この勝負はもう決まっているからという判断により
わざわざクリントン氏支持の投票に行っていなかったことは、
その後の彼女の得票数を見ると明らかになっています。
いろいろな要因、様々な理由でコメディーのような選挙結果が出てしまったように感じられます。
これらの理由からトランプ支持者または投票者が必ずしもすべて、
人種差別者や白人至上主義者ではないという感想です。