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Vol.143台湾から来た白い犬の日記

Vol.143台湾から来た白い犬の日記 本国に住んでいるからこそ
感じられる大統領選挙(後編)

2016.12.12

こんにちは、Cocoです。
さて前回の続きです。

すでに大統領選挙結果はありますから、これはどうあがいても変わることがありません。
「トランプ氏がふさわしくないー!!」と、大騒ぎしているのはわかりますが、
それ以上に目を向けるべきことがあるような気がします。

トランプ氏の発言や今までの行動から、トランプ氏を下ろすことに躍起になっていますが、
もし仮に何らかの問題で彼が罷免されたとしても、次に自動的に大統領になるのは副大統領候補Mike Pence氏。
私Cocoはこの人の方がよっぽどトランプ氏よりある意味怖い気がします。
彼の経歴を見ると愕然とします・・・・・・(涙)

またそれ以外に注目したいのがアメリカ中枢が共和党でしめられてしまったこと。
今回の選挙ではトランプ氏勝利に皆さんの関心が集中していますが、他にも重要項目があります。
 
まずは上院下院共に共和党が制したこと。こうなると様々な懸念が生まれてきます。
上院下院はもちろん立法機関です。これにより共和党の提出した法案がかなり通りやすくなることでしょう。
そして、大統領が共和党になりましたので、指名される行政最高幹部も共和党でしめられることでしょう。

以前は民主党の大統領でしたから、行政中枢は民主党、議会(立法)は、
共和党で何とかバランスを保っていた感がありますが、これからは共和党一色です。

そして、行政、立法と来てもう一つの需要なポイントはもちろん司法です。
現在連邦最高裁判事の席が一つ空いています。
9人いる判事の民主党派が4人、共和党派が4人、死去により1つの席が空いていますが、
これは大統領に任命権があり、議会が承認すれば確定します。
 
オバマ氏が指名することもできましたが、議会が共和党寄りなので指名しても承認されるのが
難しかったのでしょう。つまりトランプ氏が大統領になれば、
彼はたぶん共和党寄りの判事を任命し、共和党の議会はすんなり承認するでしょう。

これはどういうことかと言いますと、アメリカで行政、立法、司法すべてが共和党でしめられることになのです。
同性婚でさえ、これらが揃ってしまえばたとえトランプ氏が何もしないと約束しても、
新たな訴訟が起こった場合、新しい判決が出てしまえば覆される可能性も否定できない状態なのです。
 
これはもちろん一例ですが、つまり今アメリカで常識(確定)となっていることもことごとく否定され、
とんでもない方向に進むことができる地盤が出来てきているということなのです。
これがアメリカにとって、そして世界にとってどういうことなのかと考えるとかなり怖い気がします。


この選挙の影響が直接あったとは言えませんが、世界に少し目を向けるとブルガリアでは
親ロシア派の大統領が選出、オーストリアでは極右勢力が、
ドイツでは新興右派政党(ドイツのための選択肢:AfD)が躍進中、
フランスの2017年の大統領選でも極右政党・国民戦線のルペン党首が選ばれる可能性が
日に日に大きくなっているようです。
世界中の先進国が(ブルガリアは先進国ではありませんがー)どんどん極右になっていく・・・・・・

私Cocoが感じたのは、今までの世界の傾向としてはどちらかというと左派的でして、
世界各地で難民を受け入れ、各国の利益よりも世界協調を押してきたように思いました。
その結果その国内に様々な問題が生じ、これらの反動で各国で右派が躍進しているのでしょうか。。。
日本も対岸の火事というスタンスではいられない場合になるかもしれませんね。


米国ではすでに国内で一番リベラルなサンフランシスコでさえも
既にヘイトクライムと呼ばれる犯罪や行動が出てきています。
これはたぶん、国のリーダーとなる人がとんでもない発言をしたため、
彼が言ったことは「それが正しい!」と冷静な知的な判断ができない人の起こした浅はかな行動。
たぶんこれらは増えるのかもしれません。
安全で安心して住める環境がこのまま保たれていくのでしょうか?


こういう時だからこそ、正しくない方へ向かった時、
正しくない行動があった時は泣き寝入りせず声を出して止めていかなければならないのかもしれません。
究極の選択によりトランプ氏に投票してしまった人、
トランプ氏に投票しなかった人はこの国の進む方をしっかりとした視点から
冷静に見ていかなければならないことでしょう。

アメリカ人の選んだ判断が正しいことを心から祈るばかりです。

以上が浅―い考えしかない私Cocoがこの大統領選のドタバタを見てが勝手に書きこんだたわごとです。
間違った情報が載っていても責任を持てませんので、そこのところよろしくお願いいたします(笑)。


私Cocoのアメリカ人父のDさんはアメリカ人ですから良しとしても、
日本人飼い主のJapanさんは永住権だけだと心許ないから、
トランプ氏が大統領になったら市民権をとっておいた方がいいかもしれないな・・・と言っています。
彼は、例えば交通事故を起こして国外退去、強制送還にでもなったら困るしねと言っていました。(←トランプ氏が大統領になったら確かにこれもありないとは言い切れない情勢になるかもしれません・・・涙)
 
 

Writer Profile

Coco
Cocoココ

台湾生まれ台湾育ちのフォモサ犬系雑種。野良犬だったため正確な年齢は不詳:性別、女推定9歳。台北で殺処分直前に現地の動物保護団体にレスキューされる。その後紆余曲折を経て、2010年、サンフランシスコ在住の日本人男子Japanさんとアメリカ人男子Dさんのカップルの家の養子となる。食べることと散歩が大好きだが鶏肉アレルギーがある。

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