楽しみ、楽しませ、ほんのちょっと楽になる

Vol.391ハタラクさんの毎日

Vol.391ハタラクさんの毎日 現実。

2016.01.16

「今の若い世代は冒険をしない」「バブル世代と違って若い世代は堅実」というようなことを頻繁に聞きます。
 
わたしの身近に、若いと言われる20代があまりいないので、なんとなくその意味はわかっても、リアルには感じられていない部分もありました。
 
それが先日、食事にいったときのある女性スタッフと何気なく交わした会話から、「こういうことね」と気づかされたので、お話ししますね。
 
女性スタッフは、そのお店のホールスタッフとしてはたらく大学3年生のアルバイトでした。仮にA子さんとしましょう。
A子さんは来年就職活動をひかえていて、何かと気をもんでいるとのことでした。
 
―― 就職活動はいつから始まるんですか?
A子さん「来年の6月が解禁なんですけど、エントリーは来春早々には始まります」
―― どんな業種を希望しているんですか?
A子さん「広告関係の仕事に就きたいです。面白そうかなと思って。でもそこだけだと怖いので、メーカーも受けようと思っています」
―― 転勤とかあってもいいんですか?
A子さん「いいです。限定した地域のみの異動を希望する人にはエリア採用というのがあるんですけど、それだと出世できないらしんですよね」
―― 出世したいの?
A子さん「はい、だって結婚できればいいですけど、結婚できなかったら自分で生活していかなくてはならないので・・・・・・。そうなると地方転勤もある総合職のほうがお給料もいいので」
―― すごい、そこまで考えているんですね、結婚しない場合まで・・・・・・(冷汗・笑)
A子さん「だって大変じゃないですか、ひとりで生きていくって。そのためにも総合職でないと」
―― うまくいくといいですね。
 
 
こんな会話でした。
もしも結婚できなかったときのために、生活を考えて総合職を目指す。
いやーわたしが彼女と同じ時期には、まるっきりそんなことは考えておらず、「こういう仕事に就きたい」「こういう仕事に就いて、たくさんの人と会って、楽しくはたらきたい」というような現実というか、実生活とはかけ離れた夢ばかりを思っていました。
 
だから彼女の話を聞いて、それだけ世の中をシビアに見てとらえ、自分の将来の姿も転ばぬ先の杖ではないけれど現実味を持って仕事を選ぼうとしていることに、驚いたんですよね。しっかりしているなーと。
 
A子さんにはもう会うことはないかもしれないけれど、彼女にとって最良の方向に進むことを願ってやみません。
 
現実実感!!
 
 
 
自分がやりたいことと仕事がリンクして、しかもそれを楽しんでやれて、なんてことも微塵も思わずに現在の仕事を続けられていることにしみじみ感謝ですなー。


Relax & Enjoy♡

Writer Profile

河田実紀
河田実紀Kawada Miki

株式会社ハタラク社代表/編集者
大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年5月独立。大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。2014年12月22日に(株)ハタラク社設立と同時に、WEBマガジン『ハタラク』を開設。

Back Number

その他のバックナンバー

ページトップ