Vol.466ハタラクさんの毎日 離任式の詩吟。
2016.03.31
3月31日になると決まって思い出すことがあります。小学校、中学校、高校ではこの3月31日が離任式でした。
教師や職員の人たちが学校を離れる式で、うららかな日がその寂しさというか、憂う気持ちを増長させていました。
決まって思い出すこと。
わたしが中学一年生、13才のときの離任式でのことです(うわぁー!! 40年以上も前のこと!!)
その日の離任式では、数人の教師とともに、ある職員の男性が学校を離れる挨拶が行われました。今思うと、この職員の人は定年を迎えられたのだと思います。
あまり接触はない職員の人でしたが、その様子から寡黙で真面目でシャイな印象を受けました。
そして式での離任の挨拶のとき、「話すのが苦手なので一節吟じさせていただきます」と、職員の人が言いました。
まだまだ子どものわたしは「ギンジル?」という感じで、何がはじまるんだろーとドキドキしていました。すると朗々とした歌声が会場の体育館いっぱいに響きわたり、生まれて初めて聞く詩吟でした。
アイドル全盛時代のジャパニーズポップスに夢中だったわたしは、その詩吟の響きに(なんとも言えず失礼な話ですが)笑いがこみ上げてきて、笑い声を止めるのに必死でした。でも一方で奥ゆかしい品格のようなものも感じていたことを覚えています。
だから毎年、3月31日はこのことを思い出します。
詩吟の素晴らしさはまだまだ分からないけれど、そこに目を向けられるようになったことに年月を感じています。
数年前「吟じます」と言ってギャグを言う芸人さんがいましたな。
これも文化だす、文化。
Relax & Enjoy♡