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Vol.562ハタラクさんの毎日

Vol.562ハタラクさんの毎日 そういう時間にも意味がある。

2016.07.04

歌舞伎役者の市川海老蔵さんが、奥様の闘病に触れた話のなかで
「この時間(闘病期間)が後から振り返って『必要な時間だったんだね』と
笑って話せる時が来たらいいなと思っています」と、
そのようなことを話していました。
 
 
わたしの知人が家を建てたときのこと。
都内に土地を購入し、設計事務所も決まり、いよいよ着工かとなった際に、
あれやこれやいろいろなことが起き、結局家が建ったのが
着工から約2年後だったと聞きました。
 
その間知人はなかなか進まないことにやきもきし、
家が建つまでの間の賃貸マンションに払う金額にもイライラし、
「もうこんな目に合うのなら、家なんて建てなくていい。
なんで自分ばかりこんな思いをしなくてはいけないのだろう」と、
相当辛い時期を過ごしていたそうです。
 
ようやく家が完成し、少し落ち着いた頃に知人が言いました。
「あのなかなか進まない時間があったからこそ、
自分の中のいらないものが手放せたり、新しい土地に住む準備ができたと思う」。
 
 
またある親友は、自分のこらからの人生を大きく変えるほどの仕事の前日の夜、
母親が急逝。当初からその仕事を応援してくれていた母親だったので、
キャンセルすることなく仕事をし、見事、そこから花開きました。

ただ仕事は成功したものの母親がいなくなってしまったことで
何年も何年も悲しみから立ち直れず、苦しんでいたある日、
「そうか、母親が自分の背中を押してくれたんだ。
『もう一人立ちしなさいよ』って。それに気づくためにも、
何年ものこの苦しい時間が必要だったんだ」と。
 
 
その渦中では分からないけれど、振り返ると必要な時間だったと思えたという話に、
きっとそういうものかもしれないと、思いました。
 
一見すると無駄なようで、ジリジリしていて、いつもそのことばかりを考え
ふつふつしている時間に思えても、そしてその時間がきつく、厳しく思うほど、
その人にとっては大事な時間なのかもしれませんね。
いや、大事な時間と思えるようにするのも、自分次第!
 
 
 
苦しくて、逃げ出したくて、もうどうでもいいやと思う時間を過ごした後は、
次の新しい景色が見えてくるだす。それが生きていることなんぞやもし。


Relax & Enjoy♡

Writer Profile

河田実紀
河田実紀Kawada Miki

株式会社ハタラク社代表/編集者
大学卒業後、出版社に入社。主に雑誌の編集に携わる。2011年、女性雑誌の編集長に就任。2013年5月独立。大好きな編集の仕事を軸に、今の時代だからこそできる出版の力を見出そうと、「一度きりの自分の人生、楽しんで生きる!」と決め、一歩を踏み出す。2014年12月22日に(株)ハタラク社設立と同時に、WEBマガジン『ハタラク』を開設。

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