Vol.667ハタラクさんの毎日 なぜかしらね?
2016.10.17
ある日バス停でバスを待っていたときのこと。わたしの前に、ひとりのおばあちゃんが並んでいました。
とても品のある人で、思わず「おはようございます」と、
まったく知らない人なのに挨拶をしているわたしがいました。
すると「おはようございます」と、挨拶をしてくれたおばあちゃんは、こう続けたんです。
「あなたはわかるかしら? なぜかしらね?」と。
「え、なにがですか?」と尋ねると、バス停の時刻版に同じ時間がいくつもあるというのです。
具体的にいいますと、「7時22分」にそのバス停に到着するバスが2台あり、
「9時17分」に到着するバスが2台ある。
つまり彼女の疑問は
「なぜ、わざわざ同じ時間に2台もバスが来るような時刻表をつくったのか?」
というものでした。
「まったくわかりませんね。バス会社の都合? いやいやユーモアですかね?」
なんて笑いにしようとしたら、
「どうしてかしら? なんで同じ時間に・・・・・少しでもずらせばいいのに・・・・」と、
彼女はバスが来るまでその疑問を口に出していました。
そして降りるバス停もたまたま一緒だったわたしに一言、
「なぜかしらね? ごきげんよう」と。
答えなんて見つからなくていいんですよね、きっと。
こうして疑問を持つことが大切。
すべてに疑問を持たなくなったら、そこで終わり。
なーんて哲学的なことを考えながら、彼女の後姿を見送ったのです。
こういう会話、意外と嫌いじゃない。
唐突に話しかけられ、自分がしどろもどろになるとき、ちょっとうれしくなるだす。
想像もしない展開に飲まれている自分が好きだからだすかね。
Relax & Enjoy♡