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恋に効く、仏教 Vol.4

恋に効く、仏教 Vol.4 第四話
思いっきり苦しもう!

2015.10.21

人生は苦しみだらけ

お釈迦さまはそう言っています。
 
絶望的な言葉ですが、もちろん深い意味があります。
 
私たちは日々思い悩み、苦しみ生きています。
小さい苦しみ、大きい苦しみ様々ですが、皆それなりに何か不安や悩みを抱えているのではないでしょうか?
恋愛の問題でも、会社の問題でも、人間関係でも。
 
本当に生きていくと多くの苦しみがあります。
 
お釈迦さまは、
苦しみがあるなら、その時は思い切って苦しめばいいけど、無駄なときに苦しむなって事を言いたいのです。
 

無駄に苦しむ必要はない。

 
悩みや苦しみの大半は、今この瞬間、目の前で起きていないことの方が圧倒的に多くないですか?
 
過去に起きたことを悔やんでいたり、
これから起こるかもしれない事、予定されている事を思い、憂鬱になったり。
 
今、目の前に生じていない事を、今思うからつらいのです。
 
だって、起きていないからどうしようもないですもんね。
 
数秒前も過去ですが、過去は経験として残すことは大事でしょうが、
過去は過去。
過ぎ去ったものを、いくら思ってもどうしようもありません。
タイムスリップしか方法はないのですが、それも出来ないのに、ああすればよかった、と苦しみます。
次から気を付けることは大切でも、

今、目の前に起きていない過去を、今この瞬間の自分が苦しむのは無駄な気がします。

 
 
過去は確かにそうかもしれないが、未来の不安は消えないじゃないか! と思われるかもしれませんが、
 
未来の不安って、そもそもその未来がある確約があるわけではないのですが、
まぁあるとして、このままで生きていれば必ず起こる嫌なことっていうのもありますね。
 

でも、それも起きた時に苦しめばいいと思うのです。

 
 
僕は注射が嫌いです。
なるべくなら二度と注射をしたくないと思っていますが、
予防接種などどうしても受けなければいけないことも多々あります。
 
1週間後に注射の予定があると、その事を考えて憂鬱になります。
 
でも、注射って痛いのってせいぜい2秒くらいじゃないでしょうか。
一瞬ですよ。
だから、その2秒たっぷり痛がれば2秒の痛さで終わるのです。
 
いやだ、いやだと思って過ごしていると、1週間痛いのです。
 
どっちが苦しいかというと、実際の痛い2秒よりも、
嫌だ嫌だと思って苦しむ1週間の方がつらいのです。
 
これは無駄だと思います。
 
 
例えば、上司に怒られる
 
嫌ですよね。
でも、説教されるのってすごい嫌だけど、せいぜい10分くらいじゃないですか?
 
その10分、たっぷり苦しもう。
よし苦しんでやろう!
と臨むと、意外とその説教の中の生きてくるアドバイスに気付くかもしれない。
 
まだ怒られていないのに、それを回避しようと、あーでもない、こーでもないと、右往左往するのが実は一番つらいのです。
 
人生は苦しみだらけ
 
まっとうに生きていても言いがかりをつけられる時もあるし、
災害に見舞われる時もある。
どうやってもこの長い人生、1回も苦しまず、苦しみを回避しながら生きていく事はできません。
 

じゃあ、その苦しみを受け入れ付き合っていこう。と腹をくくればいいだけです。

苦しみが来たら、よし苦しむぞ! と苦しみと向き合えばいいのです。

 
 
恋愛で言うなら
 
過去の失敗を今苦しむから、目の前の人も曇って見え、
未来の失敗を恐れるから、目の前の人との時間に躊躇する。
 
結婚でも恋愛でも、今後も失敗も苦しみもいっぱいある。その時、苦しむだけ苦しめばいいのであって、
失敗しないように、苦しまないように、と躊躇し、右往左往しているうちに、目の前のご縁は過ぎていきます。
 
どうやっても目の前の一瞬しか生きられないのですから、
 
目の前の事を、目の前の人と懸命に行い、生きていくべきで、
 
過去の出来事や不確定な未来に、
この瞬間が苦しめられるのはもったいなさすぎます。
 
この様に、
生きているこの瞬間に目を向けて生きることが、素晴らしい生き方につながり、人生を豊かにし、人を輝かせるのです。
 

苦しまないように生きるのではなく、
苦しみが起きた時だけ、思い切って苦しむ。

 
苦しみを受け入れる。それだけでいいのです。

Writer Profile

木宮 行志
木宮 行志Koushi Kimiya

お寺婚活「吉縁会」事務局長 / 龍雲寺住職

浜松市の龍雲寺に入寺後、小学生100名のサマースクールや、世界の子どもにワクチンを送る万灯会など、社会貢献活動を行う。

2010年より、静岡県西部で費用をかけず、安心した出会いの場を提供しようとお寺での婚活「吉縁会」を地元の若手僧侶とはじめる。2015年からは東京、2016年からは名古屋・岐阜・大分・仙台でも開催。現在、会員は10,500名。成婚は260名以上と大きな成果を上げる。僧侶という立場で、独身世代と向き合い、多くの縁結びをお手伝いする。2018年春、 龍雲寺 第22世住職となる。

永代供養・樹木葬・坐禅会紹介『龍雲寺』
寺コン・お寺婚活『吉縁会』

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