恋に効く、仏教 Vol.41
第四十一話
仕返しの必要はありますか？
2018.05.23
最近、吉縁会の対応などでもそうですし企業研修で出会った若い方
テレビなどの意見などを見ていると
辛いことをされたのだから
それ相応の仕返しをしてもいいのだ。
という考えというか論調を多く目にします。
吉縁会では、男女ともに
上手く縁が成就しなかった場合、
お別れと言うのは非常に難しく、
どうやっても相手を多少なりとも傷つけてしまいます。
実際伝えても傷つけるし、
連絡経っても傷つける。
それが男女の縁というものですが、
傷つけられた側が、
フラれた経験が少ないからそうなるのか、
傷つけられたのだから、
こちらもそれ相応に相手に暴言や嫌がらせをする権利がある。と
主張する方が多いのです。
相手を不快にするメールを送ったり、、、、
これは男女の縁以外の場面でも
この様な仕返しという行為はよく見られます。
いわゆる復讐というものです。
復讐と言うのは厄介です。
ドラマなどでは復讐が大きなテーマであり、
悪役をやっつけるとスッキリします。
韓国ドラマの大半は復讐劇です。
ただ、
この仕返しや復讐の思いから離れる努力が必要だと僕は思うのです。
自分の気持ちをスッキリするために
相手を不快にしたところで
実際には、たいしてスッキリしません。
復讐や仕返しの先に幸せは実際にはないのです。
怒り狂った感情に任せて燃え上がった感情の炎は、一時的に収まっても
むなしい別の感情に心は進水されるのです。
復讐で有名なのは
イスラムの教えの
目には目を、歯には歯を。
ですが、
これは復讐を容認する教えとは少し違うのでは、と言われています。
目をえぐられたら、相手の目をえぐれ。
という行為を容認する教えではなく
誤って、相手の目を傷つけてしまったら
自分の目で償え。
という償いの教えだとも言われています。
復讐の教えと解釈もできますが
その場合も、
相手にされた以上の復讐を禁止する
復讐の連鎖を止める教えなのです。
昔は、馬鹿にされただけで、相手を撲殺する事が容認されていたので、
口で馬鹿にされたら、復讐するにしても口で物を言うにとどめなさい。
という自制の教えなのです。
それも復讐せねばならない場合で、
復讐を勧めているわけではありません。
誤解がありますが、イスラムの教えも素晴らしい教えです。
仏教では、
復讐そのものを認めません。
したところで何もならない。
耐え忍び、我慢。
我慢する胆力が必要なのです。
人生は辛いことが多くありますが、
自分が我慢をせず
感情に任せ、相手にぶつけていては
誰も幸せになりません。
キリストは、頬を叩かれたら、反対の頬を差し出しなさい。
と復讐をさらに強く否定しています。
復讐や仕返し
これが当たり前の社会は非常に怖いと思います。
我慢をせず、自分が傷ついたら、傷つけた相手は、傷つくべきだ。
もちろん法に触れることでは
法によって裁かれますが、個人が裁いてはいけないのです。
法に触れない事ならなおさら
裁いたり、嫌がらせしたり
そんな無駄な事止めた方がいいのです。
ガンジーの言葉に
目には目を、では、皆が盲目になってしまう。
という言葉があります。
目を傷つけられたら
相手の目を傷つける。
相手は、目を傷つけられたから
また、その相手の目を傷つける。
その連鎖が続けば
人類皆、盲人になってしまう。
とガンジーは言っています。
仏教では我慢、忍耐。忍辱の教え。
辛いことがあっても
復讐や仕返しから離れ、
自分の心と向き合う。
そんな思いを持とうとする心が大事です。
腹は立ちます。
悲しいです。
でも、その感情を爆発させても
結局
喜びは訪れないのです。
34話にも忍辱の思いについては書いてあります。あわせてどうぞ。
