楽しみ、楽しませ、ほんのちょっと楽になる

Vol.46暇と毒

Vol.46暇と毒 キャリアの証明。

2017.02.07

みなさん、こんにちは。植松晃士です。
1月もあっという間に過ぎていきましたね。光陰矢のごとし、です。
 
さて、新年も明け、さっそくお仕事モードに突入。
今回は、「キャリアの証明」と題してお送りしたいと思います。キャリアとはなんぞや? ということ。
 
キャリアといえば、僕も『暇と毒』に携わらせていただいて46回目。
職業キャリアは、四半世紀を超え、人生キャリアは半世紀に近づきました。そんな植松晃士でございます。
これが長いのか、短いのか、そこはわかりませんが、ひとつずつの積み重ねが「今」を作っていると思います。
 
これは、僕のとあるお友達のお話。
彼は、お仕事上でおつきあいのある別会社の年配の方と打ち合わせをしていたんです。お互いが真剣にお仕事に向き合っていると、ヒートアップしてしまい、感情が炸裂することってありますよね。先日もそういうシーンになったそうです。
お互いが意見を言い合っているうちに、やがて論点がズレてしまい、とうとう最後の最後には「私は年上なのよ!」と年配の方がのたまったそう。
 
それを聞いて、僕はふと思ったんです。
社会において「年上」と「年下」は必要なことだろうか? 
 
だって、優秀なキャリアを持って中途採用される人もいるだろうし、入社何年目かでも秀でた才能を発揮している人もいるでしょ? 昭和の最初の頃なら「年功序列」という会社のルールが生きていたかもしれないけれど、21世紀の今の社会でそれは通用しないもの。
 
年下だから意見を言ってはいけない、従わなければならない。なんて、まるで体育会系の先輩、後輩のようじゃなくて? この世はもはや実力主義。
たまに古い考えの会社が残っているかもしれないけれど、競争社会だから年齢にかかわらず自分の働きを最大限活かさないといけないと思うんです。となると、昇進が年下の人に抜かれることだってある。
 
より良いものを作ろうとした時に「年上だから」の一言で覆されるのはミステリー! 
それが、例えばプライベートなシーンならまだしも、お仕事ですから。年上だから、果たしていい意見なのか、良い方向へ導いてくれているのか。そもそも「年齢」を持ち出した時点で論点がズレていると思いません?
 
まるで小学生のケンカみたい。小学生の場合は保護者がいるから社会の責任は問われないけど、大人は責任持った発言をしなくちゃ。
「年上」発言の後は「あんたより長くやってんだから」と言い放ったそうです。
 
年齢が上=長く会社にいる。この式自体は合ってるけど、中味的には不正解。
ただ、会社に長くいて、どんなキャリアを積んでいるのかはわかりません。何もしないで月日が過ぎただけかもしれないし。肩書きはもらっているかもしれないけれど、それも内容が伴ったものかはわかりませんよね。
 
結局お友達は「同じ土俵では戦えない」と判断。先方の担当者を変えてもらったそうです。
内容が充実した上での決裂ならまだしも、「年上」ということでねじ伏せられてしまってはこの先も不安。これもパワハラのひとつなのでしょうか。
 
会社、社会にはいろいろなタイプの人がいます。キャリアとはなんぞや、ということを考えながら、世の中の役に立つお仕事をしていきたいな、と思ったのでした……。
 
では、みなさん、次回またお会いしましょう!

Writer Profile

植松晃士
植松晃士Koji Uematsu

アタッシェ・ドゥ・プレス(※)
ファッションプロデューサー
株式会社ヘルメット/株式会社アンソニーレッド 代表取締役
数々のファッションブランドのPRを手がけるほか、ファッションプロデューサーとしても活躍中。TVや雑誌などの多くのメディアで、女性のファッションに対する独自の視点と、その辛口トークが大好評。

※アタッシェ・ドゥ・プレス
ファッションブランド、ジュエリー、コスメ、ファッションビルなどのPRを手がけるほか、ブランドのPR、ブランドディレクション、企画アドバイス、イベント企画・運営などを行います

Back Number

その他のバックナンバー

ページトップ