楽しみ、楽しませ、ほんのちょっと楽になる

Vol.84暇と毒

Vol.84暇と毒 自分の価値は誰が決めたの?

2018.09.26

みなさん、こんにちは。植松晃士です。

最近聞いたお話で、「恋愛や結婚が面倒、自分らしく生きたい!」
という女子がけっこういるそうなんです。
「どう思います?」と聞かれたんだけど、
二兎追うものは一兎をも得ず。ということわざがあるように、
なんでもかんでもは手に入らないの。
何かを手に入れたら何かを失うもの。
すべてのことをバランスよくやるというのは、できないんです! 

実はできていないけれど、自分の中で妥協線というか、
「ま、いいでしょ」という、どこかあきらめにも似た
着地点を決めて毎日を送っているんです。

そもそも「自分らしさ」って何なの?って話でしょ。
自分で自分のことを「こうだ」と決めたとて、社会においては、
いろいろな人と関わって生きていかなくちゃいけない。
人が生きる道と書いて、人生。
その「自分らしさ」は自分で決めたことで、
他人はそれを認めてくれるかどうかわからないんですよね。

そうはいっても、流されて生きて行くというのではなく、
「自分らしさ」の決め方が大切だと思うんです。
描いたとおりの人生設計なんて困難だらけで、
叶わなかったら挫折感もあるし、落伍者になっちゃう。
それは哀しいでしょ。だから「自分らしさ」の描き方は、
目標を定めないってことが実は大事なんだと思う。

自分らしく=自分がしていて楽しいことを断片的にイメージして、
それで頭の中をいっぱいにしておくってどう? 
それが叶ったら嬉しいし、すっごく幸せでしょ。
「自分らしい!」って感じると思う。

イメージがつかみにくいかしら。
例えば、旅に出るのがすごく好きな人、僕なんかは
パリとかイタリアとかヨーロッパ方面が好きんなんですね。
歴史的背景が深いところが。
で、テレビで世界遺産とか見て、
こんなところを観光できたらな、と思うでしょ。それをストックする。
ほかに、黒いダイヤモンドのようなキャビアが好き。
それを食べている自分が幸せ! で、それをイメージしてストック。
とにかく、叶えたい、叶えたら嬉しいことを幸せ箱の中に入れておくの。

結婚や恋愛が面倒、という人はきっと、
木枯らしふく銀杏並木を「さむーい」とか言って
彼のポケットに手を入れて歩いちゃう、なんてことを
「嬉しい」と思わないんでしょうね。

他人とのコミュニケーションを面倒くさいって思っちゃうんだよね。
あるいは純白のウェディングドレスに身を包む自分とか想像できないし、
その後の結婚生活で子どもと一緒に暮らして、
みたいなことを想像してもウキウキしないんでしょうね。
彼女の幸せ箱の中に、それらはさほど入ってないってことかも。

だったら、それはそれでいいんじゃない? 
だって、誰にも迷惑かけてないんだもん。
ただ、恋愛や結婚に興味を持たないのは悪いことじゃないから、
面倒とか言わなくていいのよー。
ご縁を求めていないだけ、なんだもの。
面倒とかっていうマイナスの表現しないでー。
世の中の人はその面倒を楽しんでいるの。

そもそも「自分の価値は誰が決めたの?」 自分でしょ! 
だったら、それでいいじゃないですか。というか、
この話は最初からヤボだったってこと(笑)? 
ま、人生最後の結果がよければいいのー。そういうことでしょ。

では、また次回お会いしましょ?

Writer Profile

植松晃士
植松晃士Koji Uematsu

アタッシェ・ドゥ・プレス(※)
ファッションプロデューサー
株式会社ヘルメット/株式会社アンソニーレッド 代表取締役
数々のファッションブランドのPRを手がけるほか、ファッションプロデューサーとしても活躍中。TVや雑誌などの多くのメディアで、女性のファッションに対する独自の視点と、その辛口トークが大好評。

※アタッシェ・ドゥ・プレス
ファッションブランド、ジュエリー、コスメ、ファッションビルなどのPRを手がけるほか、ブランドのPR、ブランドディレクション、企画アドバイス、イベント企画・運営などを行います

Back Number

その他のバックナンバー

ページトップ