Vol.95暇と毒 先輩。
2019.03.07
みなさん、こんにちは。植松晃士です。どんどん春が近づいているこの頃。とはいえ、肌寒い日もあるので体調管理はしっかり!
最近お若い方を見ていて、「ずうずうしさ」を感じることが多いんですよね。
もちろん、お若い方のは「自信」なんでしょう。
ずうずうしさと自信は似て非なるものなんだけど、一見同じように見えるの。
動じない感じがね。
自信というか、開き直りとでも言えばいいのかしら。
『暇と毒』の読者にもいるかもしれないけど、ゆとり世代でよく言われるのがご都合主義。
自分の主張や考えは100パーセント正しくて迷いなくつき進んでいる、
という感じがするんですよね。だから、まわりから「え?」と思われるの。
と思うと、時には天使のようにピュアなときもあったりもする。自分の感情に素直。
つまり他人の目を気にしないんですよね。
そんな話をすると「今の若い人はねー」と片付けられちゃうかもだけど、
ある年齢になると、男女誰にでもこの状態がやってくる。そう。オジさん、オバさん。
我が強いっていうの? 自分的正論を繰り広げて、他人の話なんか聞きゃしないー。
てことは、老いも若きも日本人不思議化現象!?
その中間にいる僕らも、もしかしてそうなるのかしら……。
例えば、山にこもって陶芸している人とか、
アトリエにこもって絵を描き続けている人とかって対象が人じゃないでしょ、
アーティストだから。
でも、僕らみたいにいろいろな人と関わりながら日々の糧を得ていると、
社会性が必要になるの。
ま、ほとんどの人が社会性をベースに生きているわけですが、
不思議化現象に陥って進むとコミュニケーションが取りづらくなって引かれていきます。
世の中の椅子とりゲームで座る椅子をキープするためには、どう考えても社会性が必要。
もちろん才能のあるアーティストは別よ。特別に椅子が用意されているんだから。
でもそうじゃないなら、コミュニケーション能力は必須。
例えば、自分の会社とお付き合いのある会社の方々と会食に行くとするでしょ。
いわゆる接待で、格式のあるレストランね。
で、クライアントのワインが空になったとします。
自分は接待する側の会社にいるとはいえ、一番若いとしてもワインを注いではいけません。居酒屋のビールじゃないんだから!
ちゃんとした場所では、お店の人が注ぐと決まっているの。
子どもの頃から格式のあるレストランによく行く環境にいた人は、
知らず知らずに身についているの。それはある意味才能。
その才能がないのなら、教わって身につけなくちゃ。
そして、そういうことを教えてくれるのは先輩。
そんな先輩に、上からモノを言うとか対等に話すとかありえないー。
ひとつでも上の人は先輩なんです。1年間あなたよりもたくさん体験しているんだから。
かといって、すべての人を尊敬しなさい、ということじゃないの。
尊敬する人とそうでない人を見極めないといけないんです。
自分にない知識を持っている人に近づいていれば人生が豊かになるはず。
そうじゃない先輩とは距離感が大切。ため口で話す必要もない。
教えてくれる先輩もエネルギー使っているんだから!
嫌われる覚悟で教えてくれてたりするんだから、そこは尊敬の念を持って接しましょ。
また次回お会いしましょ!