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Vol.103暇と毒

Vol.103暇と毒 30の壁と40の壁。
50に壁は…!?

2019.07.25

みなさん、こんにちは。植松晃士です。
令和になって約2ヶ月が過ぎようとし、考えてみたら
もう1年の半分が終わろうとしています。本当にあっという間!

さて。今回は「30の壁」「40の壁」についてお話したいと思います。
それぞれのワードは聞いたことがある読者もいるのではないでしょうか? 
あるいは「その壁にぶつかった!」という経験者もいることでしょう。

「30の壁」というのは何か? 
それは、人生において最初に焦り出す頃に出てくる壁ですね。
20代で就職をして、自分の生き方を模索しながら30歳が目の前に迫ってくる。
まわりはキャリアアップあるいは結婚、出産といった、
人生におけるステージの変化を経験していたりする。
その中にあって、自分はこの先どうしたいのか? どうしたらいいのか? 
このままでいいのか? そんな壁が目の前に立ちはだかってくるんですよね。

そこで、まるきり違う職種への転職だの海外留学だのを考える。
あるいは慌てて結婚しちゃうとか(苦笑)。
壁をどう乗り越えようかと全力をそそいでしまう。

そして「40の壁」。
30代も終わりにさしかかってきて、これは、もう最後の転職。
ベースアップしよう、キャリアアップしようということで
同じ職種での転職が多いようですね。
結婚にしても、最後となる気がして大慌て。婚活も必死です。
とにかく今の状況を変えたい、変えなくちゃ40代を迎えられない、
というくらい思いつめているんです。

でもね、自分に不満があって状況を変えたいというのはわかるんだけど、
「今」をネガティブに思いこまないで。他人が思うほど気にしてないしね。
人の目を気にしてこそ、女性なんだけど、
大きく変化することが果たしていいことなのでしょうか? 
30歳、40歳を目前にして、一時の感情に任せて自分を変えていいのか?
と僕は問いたいです。

変わることが吉と出るか凶と出るかは、誰にもわからない。
けれど、変えないというのも勇気じゃない? 
せっかくがんばって築いてきた今までの人生を否定しなくてもいいと思う。
もしかして、変えなかったからこその「未来」があるのかもしれない。
壁を目前にして今の自分が何か変わるような気がするのかもしれないけれど、
それは空想であり想像であり幻想であるかもしれないんだもの。

もちろん、ちゃんと将来を見据えての転職だの留学だのはいいと思います。
でも、ただの焦りだったら今の足元を見据えて。
まわりがどうであろうとも、自分は自分。自分にしかできないこともあるはず。

30歳、40歳になったら、壁は誰にでも出現します。
でも、それは自分で勝手に作った高さ。
だから、高くするもの低くするのも自分なの。

ただね、50の壁はないんだよねぇ。
人間50歳ともなると、ゆっくりの人生だから(苦笑)。
壁があったとしても低いの。なぜなら、社会からの評価と自分の評価は同じだから。
30代、40代は自分で勝手に自分の評価を上げているんです。
つまり、客観的に自分を見ていない。
私はこんなに優れているんだから、もっといい未来があるんじゃないかと思っていて、
それを受け入れてくれない現状に苛立つ。そして、それが壁になるの。
でも50代ともなると人としてベテランだから、
自分の存在価値も理解できているんですよねぇ。

それに、50代ともなるとすぐ疲れちゃうから(笑)、
1度ソファに座らないと何もする気が起きない。もう抗わないんだよねぇ。
となると、壁は高くならない。もっといい仕事あるかしら? とか考えないものー。
人間として成熟してくる、ってことでしょうね。

みなさんも壁が見えてきたと思ったら、ちょっとひと休みして考えて!
ひと休み。ひと休み。

では、また次回お会いしましょ!!

Writer Profile

植松晃士
植松晃士Koji Uematsu

アタッシェ・ドゥ・プレス(※)
ファッションプロデューサー
株式会社ヘルメット/株式会社アンソニーレッド 代表取締役
数々のファッションブランドのPRを手がけるほか、ファッションプロデューサーとしても活躍中。TVや雑誌などの多くのメディアで、女性のファッションに対する独自の視点と、その辛口トークが大好評。

※アタッシェ・ドゥ・プレス
ファッションブランド、ジュエリー、コスメ、ファッションビルなどのPRを手がけるほか、ブランドのPR、ブランドディレクション、企画アドバイス、イベント企画・運営などを行います

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